全国的に空き家の数は年々増加しています。総務省の調査によれば、2018年時点で全国の空き家数は約849万戸に達し、住宅全体の13.6％を占めました。この傾向は今後も加速すると予測されており、人口減少や高齢化といった社会的要因が主な背景にあります。空き家の問題は、もはや一部地域にとどまらず、全国規模で考えるべき重要課題となっています。
※都道府県別空き家率の状況（令和５年度）・・・詳しくはコチラ（参照：統計局）
京都府で空き家が増加している理由
人口減少と高齢化の影響
京都府では特に郊外や中山間地域を中心に、空き家の増加が目立っています。背景には人口減少と高齢化があります。若年層の都市部流出や高齢者世帯の単独化により、住む人のいなくなった住宅が放置されるケースが増えているのです。こうした現象は、特に伝統的な住宅が多い京都において、古民家がそのまま放置されてしまうという問題を引き起こしています。
相続や管理放棄の問題
さらに、相続をめぐる問題も空き家増加の一因です。家族間で相続の合意が取れずに放置されたり、相続したものの維持管理が困難なため放棄されるケースが後を絶ちません。遠方に住む相続人が管理を諦め、そのまま空き家となる事例も多く、これが地域全体に悪影響を及ぼしています。
※相続による空き家のリスク・・・詳しくはコチラ（参照：ハピネスホーム管理）
京都府における空き家の実態
空き家の件数と増加率の推移
京都府の空き家率は、全国平均をやや上回る水準で推移しています。平成30年の総務省の調査では、府内の空き家数は約20万戸にのぼり、特に農村部では増加傾向が顕著です。こうしたデータからも、空き家の問題が持続的に拡大していることがわかります。
※京都府の空き家率について（令和５年度）・・・詳しくはコチラ（参照：統計局）
空き家の種類と地域ごとの傾向
京都府内の空き家には、「賃貸用」「売却用」「二次的住宅」などの目的を持つものと、「その他の住宅」、すなわち完全に使用されていない住宅があります。特に後者が問題視されており、地域によってはこうした空き家が集中的に存在しているため、景観や安全性に大きな影響を与えています。
※空き家の分類について・・・詳しくはコチラ（参照：日本空き家サポート）
京都市と地方部での違い
京都市内でも一部地域では空き家が増えていますが、地方部のほうが深刻です。市内では再活用や観光資源としての取り組みが進んでいる一方で、地方部では人手不足や経済的な要因により再利用が難しく、放置されたままの空き家が目立っています。この都市と地方の格差も、空き家問題を複雑化させる要因の一つです。
空き家が引き起こす5つの深刻な問題
治安の悪化と防犯リスク
空き家は不審者の侵入や不法投棄の温床となりやすく、地域の治安を著しく損ないます。夜間の人通りが少ない場所では、空き家が犯罪の拠点とされる可能性もあり、防犯上の大きな懸念材料です。
災害時の危険性と防災上の課題
老朽化が進んだ空き家は、地震や台風などの災害時に倒壊や飛散のリスクがあります。近隣住宅への被害や避難経路の妨げになることもあり、防災の観点からも放置は看過できません。
地域景観と観光への悪影響
京都府は歴史的な景観や町並みが魅力の一つですが、空き家が放置されることで景観の質が損なわれます。観光地に近い地域では、空き家の存在が観光客の印象に悪影響を与えることもあり、観光産業全体にマイナスの影響を与えかねません。
※空き家と観光地の関係・・・詳しくはコチラ（参照：全国空家管理ナビ）
地域コミュニティの衰退
人の出入りがなくなった空き家が増えることで、地域のつながりやコミュニティの活力が失われます。地域活動の担い手が減少し、高齢者の孤立や地域の無関心が進むことで、さらに空き家が増えるという悪循環に陥るケースもあります。
不動産価値の下落と経済への影響
空き家が増加する地域では、周辺の不動産価値も下落する傾向にあります。住宅の取引が減少し、地元経済にも悪影響を及ぼします。結果として、税収の減少や行政サービスの低下につながる可能性もあり、地域経済の基盤を揺るがす深刻な課題となっています。
行政や地域で進む空き家対策
京都府や市町村による主な取り組み
京都府では、空き家の発生を抑制し、再活用を促すための条例やガイドラインを設けています。例えば、空き家の所有者に対して情報提供やアドバイスを行う「空き家相談窓口」の設置などがあり、行政と住民が連携して問題解決に取り組んでいます。
空き家バンクやリノベーション支援制度
空き家の活用を推進するため、「空き家バンク」の運用も進んでいます。これは、空き家を貸したい・売りたい人と、借りたい・買いたい人をマッチングする制度です。加えて、リノベーション費用への補助や税制優遇といった支援策も整備されており、再活用を後押ししています。
※空き家バンクの活用（京都府 八幡市）・・・・・詳しくはコチラ（参照：八幡市役所）
※空き家バンクの活用（京都府 木津川市）・・・詳しくはコチラ（参照：木津川市役所）
民間企業やNPOによる活用事例
近年では、民間企業やNPOも空き家活用に積極的です。たとえば、空き家をゲストハウスやカフェに改装し、地域に新たな価値を生み出す事例が増えています。こうした取り組みは、空き家問題の解決と地域活性化を同時に実現する好例として注目されています。
空き家問題を解決するために私たちができること
相続前からできる備えと相談
空き家を生まないためには、相続前から家族間で所有不動産について話し合い、方向性を共有することが重要です。遺産分割や売却、活用方法をあらかじめ決めておくことで、空き家化のリスクを減らせます。
※相続と空き家の関係・・・詳しくはコチラ（参照：ハピネスホーム管理）
空き家の利活用を考える視点
所有している家が不要になった場合、ただ放置するのではなく、貸す・売る・改装して活用するという選択肢を持つことが大切です。視点を変えれば、その家に新たな価値や可能性を見出せるかもしれません。
※空き家管理は【ハピネスホーム管理】・・・詳しいサービスはコチラ
（管理地区：神奈川県 横浜市・横須賀市・逗子市・葉山町、奈良県 生駒市、京都府 八幡市・木津川市・相楽郡、大阪府 堺市・高石市・枚方市）
情報収集と地域との連携の重要性
空き家問題は個人だけでなく、地域全体で向き合う必要があります。行政や専門機関の情報を活用し、地域の動きにも積極的に関わることで、空き家を減らし、地域を守る力となります。
まとめ：空き家問題に対する意識と行動が未来を変える
京都の現状から全国の課題を見直す
京都府の空き家問題は、日本全体が直面している課題の縮図とも言えます。美しい街並みを守るためには、私たち一人ひとりが問題の本質を理解し、具体的な行動を起こす必要があります。
一人ひとりの理解と関与が解決の鍵に
空き家について考えることは、未来の住まいや地域の在り方を見つめ直すことです。相続・管理・活用など、私たちができることは少なくありません。今こそ、空き家問題に対して意識を持ち、行動を始めるときです。京都の取り組みを一つのモデルとして、より良い地域社会の実現を目指していきましょう。
※空き家管理は【ハピネスホーム管理】・・・詳しいサービスはコチラ
（管理地区：神奈川県 横浜市・横須賀市・逗子市・葉山町、奈良県 生駒市、京都府 八幡市・木津川市・相楽郡、大阪府 堺市・高石市・枚方市）
