空き家が増え続ける背景とは?

全国的に進む空き家の増加傾向
近年、全国的に空き家の増加が深刻化しています。総務省の「住宅・土地統計調査」によると、日本全体の空き家率は過去最高を更新し続けており、今や住宅の7軒に1軒が空き家という地域も珍しくありません。この背景には、少子高齢化や人口減少、都市への一極集中などの社会構造の変化が影響しています。家を建てても、そこに住み続ける人がいなければ、いずれ空き家になってしまいます。
※日本の空き家の現状について(令和5年度)・・・詳しくはコチラ
(参照:総務省統計局)
大阪府における空き家の現状
大阪府でも空き家の問題は深刻です。特に市街地周辺や郊外地域において、空き家率が高い傾向にあります。大阪市の一部地域では、築年数の古い住宅や相続後に手が付けられていない家屋が目立ちます。都市部でありながらも、人口減少と住宅の老朽化が進んでいるため、空き家の発生を抑えられない状況です。
※例:大阪府堺市の空き家対策について(令和7年2月)・・・詳しくはコチラ
(参照:大阪府堺市役所)
空き家問題がもたらす社会的影響
空き家の増加は、単に空間が使われていないというだけでなく、治安や防災面でのリスクを高めます。また、放置された住宅は周囲の景観を損ない、地域全体の資産価値を下げてしまいます。さらに、空き家の増加により、地域コミュニティの活力が低下し、地域経済にも悪影響を及ぼす可能性があります。
空き家が増える5つの主な理由【大阪府の事例】

人口減少と高齢化による住宅の放置
大阪府内でも、特に郊外エリアを中心に人口減少が進んでおり、高齢化も加速しています。高齢の住民が亡くなった後、住宅が放置されるケースが多く、誰も住まなくなった家がそのまま空き家として残される状況が続いています。
※関西地区の人口減少状況(2024年10月時点)・・・詳しくはコチラ
(参照:日本経済新聞)
相続問題で空き家の処分が進まない
相続時に発生するトラブルや手続きの煩雑さも空き家増加の一因です。相続人同士で意見が合わず、家の処分が後回しになることで、結果的に空き家として放置される例が少なくありません。大阪府でも、相続登記がされないまま長期間放置された家屋が各地に点在しています。
※親からの相続で直面するリスクとは・・・詳しくはコチラ
(参照:ハピネスホーム管理)
住宅ニーズの変化と立地のミスマッチ
現代の住宅ニーズは、利便性やデザイン性を重視する傾向があります。古い木造住宅や交通の便が悪い地域の住宅は敬遠されがちで、売却や賃貸に出してもなかなか借り手が見つかりません。大阪府でも、駅から遠く古い住宅が空き家化しやすい状況にあります。
修繕・解体コストの負担が大きい
空き家を有効活用するためには、修繕やリノベーションが必要ですが、その費用が高額になることが多く、所有者が対応できずに放置されるケースが多いです。また、解体する場合も数十万円以上の費用がかかることがあり、費用面でのハードルが高い現実があります。
行政の支援・施策が十分に届いていない
大阪府では空き家対策として補助金制度や相談窓口を設けていますが、情報の周知不足や手続きの煩雑さから、実際に活用されているケースは限られています。制度の存在を知らない所有者も多く、結果として空き家が放置され続けています。
※例:大阪府高石市の空き家対策補助金について・・・詳しくはコチラ
(参照:大阪府高石市役所)
空き家が地域にもたらす5つのリスク

治安・防災面での不安
放置された空き家は、不審者の侵入や火災の発生リスクを高めます。内部での不法滞在やゴミの不法投棄が行われることもあり、地域の治安を著しく悪化させる要因となります。
景観や資産価値の低下
老朽化した住宅がそのまま残されると、町並みの景観が損なわれます。これにより、周辺の住宅や土地の資産価値も低下し、住民の転出を促す一因となり得ます。
衛生・環境面の悪化
空き家は衛生環境の悪化にもつながります。害虫や動物が住み着くケースがあり、近隣住民にとっては深刻な問題です。また、庭の手入れがされず雑草が繁茂することで、周囲に悪影響を及ぼします。
地域コミュニティの崩壊
空き家の増加は、地域のつながりの希薄化にもつながります。住民同士の関係性が薄れ、自治会や地域イベントの運営にも支障をきたします。地域の活力を保つためにも、空き家対策は欠かせません。
不動産市場の流動性の低下
空き家の多い地域では、物件の売買がスムーズに行われず、不動産市場の活性化が妨げられます。流通が滞ることで、新たな住民の流入も難しくなり、過疎化を加速させる要因になります。
空き家対策の現状と課題【大阪府の取り組み】

大阪府や市町村による空き家対策事例
大阪府では、空き家バンクの運用やリフォーム補助制度を導入する自治体が増えています。これにより、空き家を利活用する動きが徐々に広がっています。たとえば、特定空き家に指定された物件への行政指導も進んでおり、一定の効果をあげています。
※大阪府・空き家バンクについて・・・・・・・詳しくはコチラ(参照:大阪府庁)
※大阪府堺市・空き家バンクについて・・・詳しくはコチラ(参照:さかい空き家バンク)
民間との連携による利活用促進
行政だけでなく、不動産会社やNPO法人などの民間団体と連携し、空き家のマッチングや利活用を進める取り組みも行われています。シェアハウスや地域コミュニティスペースへの転用といった新たな活用法が模索されています。
※大阪府高石市・空き家バンクについて・・・詳しくはコチラ
(参照:大阪府高石市役所)
現行制度の課題と改善点
しかしながら、現行制度には課題も残っています。たとえば、補助金の申請手続きが煩雑で、活用をためらう所有者も少なくありません。また、空き家対策の法的整備が自治体ごとに異なるため、対応に差が出ているのも現状です。
空き家問題への個人の対応策とは?

相続時に知っておくべきポイント
空き家問題を未然に防ぐには、相続時の準備が重要です。相続登記の早期実施や、家の処分方針をあらかじめ家族間で共有しておくことで、将来的な放置を防ぐことができます。
空き家の活用方法(賃貸、売却、リノベーション)
空き家は活用次第で価値を生み出す資産になります。賃貸に出す、売却する、リノベーションして自ら活用するなど、目的に応じた方法を選択することが大切です。大阪府内でもリノベ物件として再活用される事例が増えつつあります。
専門家に相談するメリット
空き家の処分や活用に悩む場合は、専門家に相談することが有効です。不動産会社や行政の相談窓口、司法書士や税理士など、状況に応じた専門家が適切なアドバイスを提供してくれます。
※空き家相談は「ハピネスホーム管理」・・・詳しくはコチラ
(管理地区:大阪府堺市・高石市・枚方市、奈良県生駒市、京都府八幡市・木津川市・相楽郡、神奈川県)
まとめ:空き家問題とどう向き合うか

空き家増加の本質を見極める
空き家問題は、単なる不動産の問題にとどまらず、社会全体の構造変化を反映した深い課題です。人口構成の変化や都市政策のあり方といった視点からも捉える必要があります。
今後求められる個人と行政の連携
今後は、行政の取り組みだけでなく、個人一人ひとりが空き家問題に関心を持ち、行動することが重要です。行政と住民、民間の連携によって、空き家を有効活用できる社会の仕組みづくりが求められています。