「使っていない実家が空き家になっているけれど、このままで大丈夫だろうか？」そんな不安を抱える方は少なくありません。結論から言えば、空き家を放置することには大きなリスクがあります。実際、奈良県では空き家問題が深刻化し、倒壊や治安の悪化、近隣トラブルなどさまざまな被害が報告されています。
この記事では、空き家問題を放置することでどんな危険があるのか、奈良県の現状をもとに具体的なリスクを解説し、適切な対応策や活用方法についても紹介します。空き家の管理に悩んでいる方や、今後の対策を考えたい方にとって、きっと役立つ内容です。
空き家問題とは？その背景と全国的な現状
空き家とは何か？定義と分類
空き家とは、居住者がいない状態で長期間放置された建物を指します。国土交通省によれば、1年以上人が住んでいない建物を「空き家」と定義しています。さらに、空き家には「使用目的がない住宅」「賃貸・売却用」「二次的住宅」などの分類があり、特に管理がされていない「その他の住宅」が問題視されています。
※空き家の分類・・・詳しくはコチラ
（参照：日本空き家サポート）
全国で増加する空き家の実態
日本全国で空き家は年々増加しており、総務省の統計によると、全国の空き家率は13%以上に達しています。これは7軒に1軒が空き家という計算で、都市部・地方問わず深刻な課題となっています。人口減少や高齢化、相続放棄などが要因として絡み合い、空き家の増加に拍車をかけています。
※空き家率について（令和5年）・・・詳しくはコチラ
（参照：総務省）
空き家増加の主な原因
空き家が増える背景にはいくつかの要因があります。まず、人口の都市集中により地方に人が住まなくなったこと。そして、高齢者の死亡後に住宅が放置されるケースや、相続人が管理責任を負うのを嫌い相続を放棄する事例も増えています。また、不動産市場の停滞により売却が難しいことも、空き家が放置される原因の一つです。
奈良県における空き家問題の現状
奈良県の空き家率とその特徴
奈良県は全国的にも空き家率が高い地域の一つです。特に過疎化が進んでいる地域では、空き家率が20%を超える市町村も存在しています。高齢化の進行と若年層の都市流出が続く中で、空き家の数は今後も増加が予想されます。
※奈良県の空き家率・・・詳しくはコチラ（参照：OCN不動産・賃貸）
空き家が引き起こす地域トラブルの実例
奈良県内では、空き家が原因でさまざまな問題が発生しています。倒壊寸前の建物が通学路沿いにあったり、放置された家屋にゴミが不法投棄されて悪臭を放つなど、近隣住民とのトラブルが後を絶ちません。また、空き家が放火の対象になる事件もあり、安全面でも看過できない問題です。
奈良県が実施している空き家対策
奈良県では、空き家対策として「空き家対策計画」を策定し、自治体ごとに空き家バンクの設置や補助金制度の導入を進めています。また、空き家の所有者に対し、改善命令や固定資産税の優遇解除といった措置も講じられています。これらは問題の放置を防ぐための重要な取り組みです。
※奈良県の空き家対策（令和6年6月）・・・詳しくはコチラ（参照：奈良県庁）
空き家を放置することで起こるリスク
倒壊・災害リスク
空き家はメンテナンスがされていないため、老朽化が急速に進行します。屋根や壁が崩れ落ちる危険性があり、地震や台風などの自然災害時には倒壊のリスクが一気に高まります。これにより周囲の建物や人に被害を与える可能性も否定できません。
防犯・治安の悪化
誰も住んでいない住宅は、不法侵入者や犯罪者にとって格好の標的となります。空き家を拠点にした犯罪や放火のリスクもあり、地域の治安を大きく損ねる要因となります。特に夜間や人目のつかない場所にある空き家は、防犯上非常に危険です。
衛生・害虫・悪臭など生活環境への悪影響
空き家に溜まったゴミや湿気は、害虫やネズミなどの発生源となり、周囲の住民の生活環境にも悪影響を及ぼします。草木が伸び放題になった庭や庭木が隣家に侵入するなど、見た目にも不快感を与える状況が多く見られます。
資産価値の低下と売却困難化
長期間放置された空き家は建物の劣化が進み、資産価値が急激に下がります。いざ売却しようとしても買い手がつかず、処分に困るケースが多発しています。また、空き家の存在自体が周辺の不動産価値にも悪影響を与えかねません。
※空き家の資産価値を減らさない方法について・・・詳しくはコチラ（参照：ハピネスホーム管理）
空き家問題にどう対応すべきか？個人が取れる対策
空き家の定期的な管理と維持方法
所有する空き家は、定期的に訪れて換気をしたり、屋根や外壁の点検を行ったりすることで劣化を防げます。雑草の除去や庭木の剪定も必要です。これにより、空き家の状態を保ちつつ、近隣への影響も最小限に抑えられます。
活用・売却・賃貸などの選択肢
空き家を長期間放置せず、活用や売却、賃貸といった選択肢を早めに検討することが重要です。特に、古民家カフェやシェアハウスなどへの転用は地域活性化にもつながります。市場ニーズに合った用途を考えることで、空き家が価値ある資産に変わる可能性もあります。
空き家バンクや専門業者の活用
自治体が運営する「空き家バンク」では、空き家の情報を登録して買い手や借り手を探すことができます。また、空き家管理や売却サポートを行う専門業者に相談することで、スムーズな手続きやトラブル回避が期待できます。
※リーズナブルな空き家管理は「ハピネスホーム管理」・・・詳しくはコチラ
（管理地区：奈良県 生駒市、京都府 八幡市・木津川市・相楽郡、大阪府 枚方市・堺市・高石市、神奈川県 横浜市・横須賀市・逗子市・葉山町）
空き家の相続・登記手続きと注意点
空き家を相続した場合、まずは登記を済ませて正式な所有者となる必要があります。これを怠ると管理義務を果たせず、法的トラブルに発展する可能性もあります。相続放棄や共有名義の処理など、専門家のアドバイスを受けながら進めることが重要です。
空き家対策に役立つ制度・補助金情報（奈良県版）
奈良県の補助金や支援制度の概要
奈良県では、空き家の解体費用やリフォーム費用の一部を補助する制度が整備されています。老朽空き家の除却や利活用を促進することで、地域環境の改善と安全確保を目指しています。
※奈良県の空き家対策（令和6年6月）・・・詳しくはコチラ（参照：奈良県庁）
※奈良県生駒市の空き家対策・・・詳しくはコチラ（参照：生駒市役所）
利用するための条件と申請方法
補助金を受けるには、対象となる空き家の所在地や築年数、申請者の要件など、各市町村が定めた条件を満たす必要があります。必要書類を揃え、事前相談を経たうえで正式に申請を行う流れとなります。申請時期や予算枠にも注意が必要です。
自治体の相談窓口・支援団体の紹介
奈良県内の自治体では、空き家対策に関する相談窓口が設置されています。また、民間の空き家活用団体や専門家との連携により、所有者が安心して対策を進められる環境が整っています。まずは最寄りの市役所や町役場に相談するのが第一歩です。
